「AIブーム」と言われる時期が過去何度かありましたが、高度な処理を行うためにはハードウェア、ソフトウェア共にまだまだ実用に至るものではありませんでした。世界的にインターネットの環境が整い、ICチップの高集積化によりハードウェア性能が飛躍的に進化した現在、過去とは異なる勢いでAI処理の社会実装が始まっています。そういった中で、ロボットのインテリジェンス化も一つの課題となっており、現場でロボットが自律的に動作するためのエッジAI処理(特に画像処理)が重要となります。
ロボットは多くのセンサやカメラの情報を処理しつつ、モーターやアクチュエータを操作してリアルタイムで動作させることが必要となりますが、ハードウェアが進化したとはいえ、全ての処理を中央集権的に行うのは限界があり、エッジでの分散化処理の必要性が問われております。
Kakipは高性能なAI画像処理をホストから分離して担う目的で開発をスタートしました。まずはロボットコンピューティングの研究開発に扱っていただきやすい形のシングルボードコンピュータからリリースし、将来的にはさまざまな組込に最適な基板製品に展開してまいります。
シングルボードコンピュータと言われる製品は昨今世界的に活発に開発されておりますが、日本発の製品は残念ながら非常に少ない実情があります。日本発の高性能AI機能を載せた製品を世界に広めたいと開発を始めた中、分野は異なりますが同じように世界に打って出て、顕著に輸出量を増加させている国産フルーツの一つに「柿」があることを知りました。柿をモチーフに、ニューロネットワークの絵を重ね合わせたデザインにして、柿と同じく世界に出ていこうという想いを込めたロゴが完成しました。開発陣はこのプロセッサボードのことをカキピーと愛称をつけて呼んでいたこともあり、愛嬌ある呼び名で皆に親しんでいただければということで、「Kakip(カキピー)」という名前になりました。